ホームページ制作の依頼。いったい何に注意すればいいの?
自分でホームページを作る!という話はとりあえず置いておいて、今回は外注業者に何を伝えて発注すべきか?という話をします。
真っ先に考えておいてもらいたいのは、制作を発注するからと言って丸投げではいかんということです。
ホームページ制作の外注は店舗や住宅の注文に似ています。
住宅を設計するのも、実際に作る作業をするのも請け負った工務店の仕事ですが、完成した家に住むのは自分ですし、お店を経営していくのは自分ですよね。
「とりあえず1000万でなんかかっこいい家作ってよ。」
なんて頼む人はいません。
が、ことホームページとなると、コンピューターのことはなんだかよく分からんけど、ホームページひとつないというのも恥ずかしいし、とにかくなんか作ってよ、という頼み方をする人が多いです。
制作会社は商売ですし、そういう曖昧な注文も受けてそれなりに形にする技術は持っているので、パッと見た感じちゃんとした物ができます。
家に例えるなら、とりあえず住めます。
隙間風がすごいとか、床が傾いてるとか、風呂場のすぐ隣に寝室があって湿気がすごいとか、そういうことは普通ありません。
(ドリームハウスの建築と同じで、そういう業者が全くないわけじゃないですが)
でもどういう家にしたいのか、そこでどうしたいのかを伝えていないがために、実際に住んでみると不具合が出ます。
例えば建築士は建蔽率ギリギリまで建物を作って部屋を広くしてくれているのに、実はあなたは車好きで部屋よりも駐車スペースを多めに取って何台も置けるような家がよかったとか。
2階にリビング・キッチンのある家を作ってもらったけど、足腰の弱い母親が同居していて1階で全て完結するようにしてもらった方がよかったとか。
注文住宅でこういう失敗があまり起こらないのは、事前にあなたの要望や、家族構成など、設計に必要な要望を的確に伝えてあるからです。
店舗を請け負った設計士が技術の限りを尽くして、ドレスコードがあるようなおしゃれなレストランを作ってくれましたが、実はお店はもっと庶民的な雰囲気を狙った焼き鳥屋だったとか。
事前にそういう店だと知っていたら設計士はおしゃれ路線の店にはしなかったはずです。
実際にホームページを運営していくのはあなたです。
とりあえず分からないからなんか作れ、という考えは捨ててください。そうでないとお金を捨てることになります。
これはコンピューターやインターネットの専門的な話ではなく、あなたのお店をどうしていくかという経営の話です。
分からないなら分からないなりに考える。勉強する。
それでも分からないなら作るのはやめといたほうがいいです。
制作技術はないからその腕とアイデアは買ったけど、ホームページを作るのは俺だ、と思っていてください。
制作会社に伝えるべきこと。
まずは予算です。
これは以前のエントリーでも書きましたが、サイト制作にかかる予算に上限はありません。
掛けようと思えばいくらでもかけられます。
逆に低予算で上げようと思ったら「ホームページ制作8000円!」のように、いくらでも低予算にできます。
自分に分からない仕事を頼むので、ついついぼったくられるのを恐れて、用意している予算よりも低めに言ってしまいがちだと思いますが、これは実際に出せる最大予算を伝えてください。
もちろんぼったくる業者もいるでしょうが、その対策は別に考えましょう。
相場はどうなの?というのも気にしてしまいますが、相場なんてものは、あって無いようなものです。
制作業者は商売なので、低予算でも利益を上げねばいけません。
そうするためには、あった方がいいような機能の実装を見合わせるとか、1点物のデザインにかける時間を取れないから汎用デザインにして、悪く言えば手を抜いたデザインにするとか、そういう対策をする必要が出てきます。
さらに言えば「これだけ出せるから、いいものを作ってくれ。」と言われて気合いの入る人はいても、「とにかく安く作れ」と言われて気合いの入る人もいませんし。
そしてもう一つはサイトをこうしたい、という要望。
トップページのレイアウトがこうで、こういうページがあって、ニュースはトップページに最新10件表示して、問い合わせフォームがあって、、、ということを事細かに伝える必要はありません。
それは建築士に柱の数を何本にしろ、窓はこの位置につけろと事細かに指定するのに似て、設計の領域ですので制作業者が考えます。
あなたが考え、伝えなければならないのはそのホームページで何をしたいのか、何をもって成功とするのか、ということ。
例えば。
ウチは三浦半島の釣り船をやっていて、お客さんは中年男性がほとんどだがそちらの客は固定客として何人もいるし、雑誌や新聞広告からの集客が図れる。
それだけでは数年先に集客が厳しくなることが予想されるから今のうちに若い世代、できれば女性客を増やしたい。
そのためには若い世代があまり読まないスポーツ新聞の広告ではだめだから、インターネットで情報を流して集客を図りたい。
こういう話です。
このあたりの話は前回までのエントリーで説明したので恐らくもう考えておられると思います。
それ以外の周辺情報も出来る限り伝えてもらった方が、いろいろなアイデアが出やすいです。
三浦半島はこんな魚が釣れるだとか、その魚は実はこんな食べ方があるだとか、周辺にはこんな観光スポットもあるだとか、利用客からこんな要望が出たことがあるだとか。
それを踏まえて、制作会社では予算内でその目的に対して実装し得るホームページの構成を設計し、提案してきます。
(あ、ちなみに今日話している制作会社というのはページの構成・値段があらかじめ決まっている格安制作サービスではなくて、設計から依頼するパターンです。
住宅で例えるなら建売ではなくて注文住宅です。)
釣り宿のサイトというとちょっとおっさん臭いサイトが多いけれど、そのような目的ならもっと若い人向けのおしゃれなサイトデザインにしましょう。
こんな魚が今釣れるよ!という情報は釣りを知っている人には有効でも、初心者女子にはあまり響かないから、釣った魚でこんな料理ができる、魚さばくのが怖くてできない人はプロのスタッフがさばいてお持ち帰りできるよ、というサービスをページに載せましょう、とか。
優秀な業者であればインターネット上で情報をどう打ち出すか、という観点からいろいろなアイデアが出てきます。
中にはサイトをどうこうすればいいわけではないようなものもあるでしょう。
例えば隣の料理屋と提携して、釣った魚でアフターパーティーを楽しもう!といったサービスのアイデアが出たら店主のあなたが隣と交渉するところから始めないといけません。
仮に予算をケチって伝えてしまうと、この予算だとアフターパーティーのページを作るところまでできないからやめとこうとか、インターネットからのお客さんだから本当はあった方がいいけど、予約フォームを作る予算がないから電話番号の掲載だけでとどめとこうとか、本来必要な機能を削った提案が出てくるかも知れません。
次回はそうはいってもぼったくられるのは嫌だし、見積の値段が妥当かどうか?どう考えたらいいの?というあたりの話を。
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