ホームページが欲しいです。格安ホームページ制作ってどうなの?
「ウチのお店にもホームページを立ち上げたい。予算がないから安く、できればかっこいいホームページが作れない?」
こういった相談をクライアントや友人、知人から受けることがあります。現職ではないけど。
結論から言ってしまうと、ごくごく低予算で、ホームページを作ることはできます。
なんなら低予算どころかタダでもできます。実際このブログは作ろうと思い立ってから一応形になるまで1時間もかかっていません。自分でやってるからタダです。
もちろん文章の執筆時間は別です。
Googleの検索で「ホームページ制作」とか検索すれば管理費用タダ!コミコミ8000円!みたいな制作会社のサービスがいくつも見つかります。
逆に上はというと、サイト制作にかかる費用の上限はほとんどありません。掛けようと思えば何千万でも何億でもかけられます。そういうサイト制作プロジェクトになるとインターネットで気軽に注文するようなものでもないですし、優秀な業者な引く手あまたですからそもそも宣伝してなかったりするのでなかなか見つかりません。
伝手がない人がこういうところに頼むには、広告代理店経由だったりするのが普通ですかね。
さて、格安ホームページ制作のサービス。彼らの仕事を批判するわけではありませんが、もちろん安いには安いなりの理由があります。商売でやってるからには8000円で受けるためには経費を7999円までに抑えないともうけは出ませんから。
だいたいこの系統のサービスの場合は、自社で持っている「テンプレート」を使います。
例えば。イタリア料理店のホームページ制作をここにお願いします。
制作会社が用意するテンプレートはこんな感じ。
ホームページに最初に訪れた際に表示される「トップページ」は一番上にお店のロゴマークとイメージ写真が入って、その下の列には左からお店からのお知らせ、今日のおすすめメニュー、お店への地図、を表示します。
トップページ以外のページは「メニューのページ」「シェフのブログ」「ご予約フォーム」「店長の紹介プロフィール」とします。メニューページは写真+料理名+値段、店長の紹介プロフィールは写真と経歴、あいさつ文のワンセット、という具合に、ページ構成、レイアウト、掲載内容のあらかじめ決まっているホームページを用意しておきます。
これがテンプレート。
あとはお客さんにそれらのページに載せる文章と写真を送ってもらい、所定の位置に配置して完成。
まあイメージカラーなどはあるでしょうから、全体の基調色を青にしようだとか赤にしようだとか、文字サイズを大きめにしようだとか、簡単な要望は聞きます。
この程度の作業ですと、ちゃんと写真や文章などの「素材」がお客さんから提供されれば1~2時間くらいでできます。何しろもらった素材を当てはめるだけで、実際はすでに作ってあるものですから。
このくらいに抑えないと利益が出ません。
サイトデザインの仕事は実体のないものが製品であるためか、材料費もかからないことだしパソコンに詳しい人がちょいちょいとやったらすぐできるくらいにイメージされてるきらいがありますが、そんなことはありません。
今書いたような簡単な制作内容でも2時間、簡単な作業なので時給1000円のアルバイトさんにやらせたとしても2000円かかるわけです。これでようやく1件6000円儲け、一日8時間びっしり、月20日隙間なく仕事を入れられたとして、80件、やっと48万円の利益です。諸経費や営業費用含めたらけっこう厳しいですね。実際そんなにコンスタントに仕事も入らないでしょうし、こんなつまらん作業160時間もやってくれるアルバイトさんも見つからないだろうから実際は営業も作業も自分でやってギリギリなかんじ?
で、そうやって格安サービスで作ってもらってめでたく完成したあなたのお店のホームページですが、もちろん安いなりの問題点があります。
もうお気づきでしょうが、こちらの制作会社では同じテンプレートを使ったサイトを大量生産することで商売が成り立っていますので、世の中に似たようなサイトが大量に存在するはずです。
あなたのイタリアンレストランだけでなくて、駅前の中華料理屋も、商店街の焼き鳥屋も、写真が違うだけで全く同じページかもしれません。
はたしてこういう状態で、似たようなページばかりの中からわざわざあなたのお店を見つけ出して、お店に特化した特徴もないページのメニューを見て来店してくれるお客さんはいるものでしょうか?
結果、ホームページを安く作ってもらうことには成功しましたが、その8000円分の費用を賄うだけの売り上げは達成できませんでした。つまり、8000円の損失。
これなら最初からホームページを作らなくてもよかったし、その8000円でチラシを作って駅前で配ったほうが恐らく効果あります。
ホームページを作る、というのは目的ではありません。手段です。
制作の相談を聞いていてよく感じるのは、ホームページを作るということ自体が目的化していて、その、せっかく作ったホームページを使っていったい何がしたいのか、という点が明確になっていない点です。
まずホームページを作ろう、と思い立つ前に、考えることがあるのではないでしょうか?
そもそも何がしたいの?お店の宣伝?それにはホームページがベストなの?ほかの手はないの?
といったあたりの話は長くなるので次回。
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